メガネをはずしちゃいけません!
美奈「べ、べつにどうもしないですから。実行委員として仕事しに来ただけです。」


帝「可愛くねぇやつ。」


美奈「重々承知です。」


あ…もしかして

いつも通り…話せてる…?


帝「 …あの、さ。」


美奈「…?」


帝「その…、悪かったな。」


美奈「…」



帝「お前の気持ちなんて考えないで、勝手なことして傷つけて…悪かった。」


見れば、さっきの無邪気な笑顔とは打って変わって
悲しみと後悔でゆがんだ表情。


……


美奈「…」


帝「あんなひどいことしておいて、今更許してもらえるなんて思ってねぇ。でも、」



美奈「…」



帝「お前に会わないでいた間に、いろんなことを考えた。本当に…。それでやっぱり謝りたいって思った。」



こんなの…




帝「…ごめん、な。」


許すしかないじゃない…


彼の言う"色んなこと"のほとんどは
沙羅さんのことなのだろうか。

きっと、いっぱい苦しんで
悲しんで、…
後悔して。


その中で生まれた謝罪の言葉。


美奈「もう、いいですよ。私なら大丈夫。だから、」


どうか、そんな悲しみに染まった顔をしないで、
と思う私は、どうかしてしまったのだろうか。



美奈「さっさと仕事、やっちゃいましょ。」



それでもやっぱり
謝ってくれたことが、
素直に嬉しく、ホッとしたのだった。
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