メガネをはずしちゃいけません!
…いや、あのさ。


これってもしや、あれですか?


帝「おい、無視すんな。この俺がデートしてやるって言ってんだよ!」


そう、それ!デート!
いや、頼んでないから!

美奈「頼んでないから!」


もう心の声とか関係なく全部吐き出している。


帝「俺の誘いを断るなんて…お前…頭大丈夫か?」

美奈「このセリフそっくりそのまま返しますよ。」


いきなりデートのお誘いとか
そっちのほうが意味わかんないでしょ普通!


全力で断る私を見て、山神帝はボソッ呟いた。


帝「……だっつーの。」


美奈「え…?」


帝「だから!お前を傷つけたお詫びにどっか連れてってやるつってんだよ!」


美奈「…」


ちょっ…


ストップ。


美奈「2人で出かけて、また変なことしないですか?」

これが本音!!

普通の流れだったらココで

きゅん…

とかするのかもしれないんですがすみません!


人間、そんな簡単に過去にあったこと忘れられないんです。


帝「もう、絶対に、お前に許可なく触れない。」


美奈「…」


帝「お前のこと所有物とか言わねぇ。」


美奈「…」


帝「お前が嫌がることはしない。」



なんか、かっこつけてるけど
それ、常識だからね!


普通は人に許可なく触れちゃダメだし
所有物とか言っちゃダメだし
人の嫌がることするなんて言語道断だから!!


ってツッコミたいのはやまやまだったけれど
真剣に一生懸命、気持ちを伝える山神帝を見ていると
ポッと心があったかくなるのを感じた。

本気で、反省してくれてるんだな…って。


だから、


美奈「…わかりました。」

この誘いを断る理由もなくなってしまったのだった。
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