メガネをはずしちゃいけません!
それはあまりに突然のことだった。


美奈「んんッーー!!」


必死で抵抗するにも男の力には勝てるわけもなく
降り注ぐ口づけをただ受けることしかできない。

そもそもなんでこんなことするわけ?
嫌がらせ?
私の…私のファーストキス返せやこのクズ男!

という思考が止められなくなった結果



ガブッ


帝「いってぇーー!」


思いっきり舌を噛んでやった。


そしてようやく解放された私の口。


美奈「ハァ、ハァ…」


帝「信じらんねぇ。」


美奈「その言葉そっくりそのまま返します。」


私の言葉に顔をゆがめる先輩。

怒りで言葉が止まらない。


美奈「いきなり何考えてんですか。気持ち悪い。いきなり名前聞いてきたかと思ったらキス?イケメンだからなんでも許されるとでも思ってんの?女がみんなあんたにキスされて嬉しいわけじゃないんで。そこのとこ勘違いしないでください。あー口の周り消毒しなきゃ。」


そう言い放つとさっさと準備室から出ていこうと、扉に手をかけた。


すると


帝「待てよ。」


美奈「まだなにか?タコ男。」


帝「俺はお前のその態度が気に食わねぇ。」


美奈「そんなの知りません。」


帝「女はみんな俺に惚れるはずだ。」


美奈「一回精神科行って来い。」


帝「お前だって地味メガネでも女だろ。」


美奈「だったらなんですか。」



帝「…俺のこと好きになれ。じゃないと俺のプライドが許さねえ。」



美奈「はぁ?あんたのプライドなんか知ったことか。気持ち悪い。私を巻き込まないでください。迷惑。」


帝「絶対なれよ!」



美奈「もう授業始まるんで失礼します。」



先輩の言葉は無視してさっさと準備室を後にした。



気持ち悪くて吐きそう。
< 12 / 209 >

この作品をシェア

pagetop