メガネをはずしちゃいけません!
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彩香「で、何があったの?」

放課後、彩香と近くのカフェに立ち寄った。


美奈「キスされた。」


包み隠すこともなくそう伝えた私。


彩香「はあぁ!?」


美奈「思い出したら胸焼けしてきた。」


彩香「相変わらずだね…普通あんなイケメンにキスされたら大喜びするだろうに。」


美奈「私のファーストキスをあのクズ男は許可もなしに奪ったんだ。この罪は重いよほんと。」


彩香「でもなんでそんなことしたんだろう。」


美奈「私の態度が気に食わなかったんだって。女はみんな自分にメロメロじゃないと気が済まないんだそうよ。鳥肌立ちそう。」


彩香「なるほどねー…それでキス…するか?普通!?」


美奈「だから頭おかしいんだって。1番嫌がりそうな方法で仕返ししたかったんでしょ。ほんとクズ。」


彩香「美奈、変な意味で目つけられちゃったってこと?」


美奈「…」



そうか。これは目を付けられてしまったってことか。
ってことはこれからも今日のような危険が毎日の日常に潜んでいるということ。



美奈「はあ…ボディガード雇いたい。」



彩香「気を付けて、としか言えないな…ごめんね。」


美奈「彩香が謝ることじゃないでしょ。私がまいた種だから。それに私みたいな地味なメガネ女、すぐに忘れるよ。」



彩香「…そうかなぁ…」



美奈「だから気にしなくて大丈夫。」




そうよ。どうせ一時の興味本意。
すぐに何事もなかったような日常に戻るんだ。



私はどうせメガネ女子。

恋だのイケメンだの、自分を苦しめる存在でしかないんだから。
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