メガネをはずしちゃいけません!
___放課後。



彩香「み~なっ!」


嬉しそうに微笑みながら、彩香が私の方に駆け寄ってきた。

彩香「やったね!ミス候補になったよ♪」


美奈「…ほんと、彩香には驚かされた。あんなプレゼン能力をもってたなんて。」


彩香「えへへ♪美奈と夢のことになると私、いつもの100倍くらい頑張っちゃうよ!」


そう言いながらニッコリと笑う彼女は
本当に幸せそうだった。


美奈「いっつも変なことばっかり言ってるけど、少し見直した。」


彩香「え~!いつもそんなに変??ひどいなぁ。でも本番はこれからだからね!頑張ろ♪」


私達はそんな会話をしながら、
教室を後にしようとした。


___その時。


相沢「…美奈。」


ふいに相沢くんに呼び止められた。

あ…

やっぱりいつもより表情がこわばってて、
なんだか__



彩香「相沢くん、もしかして…なんだか怒ってる?」



私の心の中を覗いているんじゃないかと思うくらい
正確に、彩香がそう言った。

彩香にもそう見えてるってことは
やっぱり、見間違えなんかじゃなかったんだ…

そう思うと、またギュッと胸が苦しくなった。



相沢「…美奈、ちょっといい?」


美奈「…うん…」


もうやだ…泣きそう…
地味メガネがでしゃばってごめんなさい…


彩香「美奈、私教室で待ってるし、行ってきなよ。」


ポンッと背中を押され、促されるままに
私は相沢くんと教室を後にした。
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