メガネをはずしちゃいけません!



____

________…


そしてあっという間に時間は過ぎ、
放課後がやってきた。


彩香「美奈~打ち合わせしよっか♪」


美奈「うん。そうだね。」


彩香は、私の席の近くで机を向かい合わせにすると、

ドンッ!とノートを机に叩きつけた。
そのノートのタイトルに


『 森永美奈 ミスコン優勝計画! 』


と書いてあったことはあえてスルーしておこう。




彩香「分かってると思うけど、今後の流れをおさらいするね!」


美奈「うん。」



彩香「まず、用意しなければいけないものは2つ!写真とプロフィール!」




彩香「そして、廊下貼り出され、ミスコン前日まで生徒からの投票を募ります!」



彩香「より多く票を集めた、上位10名がミスコンの最終選考として当日出場できる!という流れです!つまり…」



美奈「つまり…」




彩香「まずは最終選考に残るためにも、写真とプロフィールはかなり重要ってこと!」



美奈「…そうなるね…」





彩香「だからね…!」





彩香が立ち上がり、何かを言おうとした時___




山川「…あの…」



ふいに私達に話しかけてきた生徒がいた。



見ると、そこには山川梨香子(やまかわりかこ)さんが
立っていた。

いつも、美羽都さんと一緒にいる、
真面目で、大人しい女の子。
たしか、吹奏楽部に所属していたはず。

いつのまにか教室には、
私達と、山川さんと美羽都さんだけになっていた。


彩香「山川さん、どうしたの??」



山川「…実は、私、瑠依のミスコンのサポートしたいなって思ってて…その、坂下さんのプレゼン聞いて、すごいなって思ってて…よかったら、アドバイスをもらえたらいいな…なんて…」



山川さんが、おどおどしながらそう言うと、


ピョコッと後ろから美羽都さんも顔を出した。
…かわいい。


美羽都「…私も、何をどう見せたらいいか迷っていて…敵に塩を送るみたいであれかもしれないんだけど…よかったら…」



…いやいや、美羽都さん。
私はあなたの敵でもなんでもないですよ。
足元にすら及びませんよ。


という言葉を我慢して、
彩香の様子を見てみると



彩香「私でよければ喜んで♪うちのクラスからミスがワン・ツーフィニッシュしたら、それこそ素晴らしいわ!」


そう言ってニッコリと笑った。


…うん。私は、
あなたのそのポジティブシンキングが何より素晴らしいと思うよ。



山川「ほんと?!ありがとう…!」


美羽都「ありがとう!!!」
< 179 / 209 >

この作品をシェア

pagetop