メガネをはずしちゃいけません!
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そしてあっという間に時間は過ぎ、
放課後がやってきた。
彩香「美奈~打ち合わせしよっか♪」
美奈「うん。そうだね。」
彩香は、私の席の近くで机を向かい合わせにすると、
ドンッ!とノートを机に叩きつけた。
そのノートのタイトルに
『 森永美奈 ミスコン優勝計画! 』
と書いてあったことはあえてスルーしておこう。
彩香「分かってると思うけど、今後の流れをおさらいするね!」
美奈「うん。」
彩香「まず、用意しなければいけないものは2つ!写真とプロフィール!」
彩香「そして、廊下貼り出され、ミスコン前日まで生徒からの投票を募ります!」
彩香「より多く票を集めた、上位10名がミスコンの最終選考として当日出場できる!という流れです!つまり…」
美奈「つまり…」
彩香「まずは最終選考に残るためにも、写真とプロフィールはかなり重要ってこと!」
美奈「…そうなるね…」
彩香「だからね…!」
彩香が立ち上がり、何かを言おうとした時___
山川「…あの…」
ふいに私達に話しかけてきた生徒がいた。
見ると、そこには山川梨香子(やまかわりかこ)さんが
立っていた。
いつも、美羽都さんと一緒にいる、
真面目で、大人しい女の子。
たしか、吹奏楽部に所属していたはず。
いつのまにか教室には、
私達と、山川さんと美羽都さんだけになっていた。
彩香「山川さん、どうしたの??」
山川「…実は、私、瑠依のミスコンのサポートしたいなって思ってて…その、坂下さんのプレゼン聞いて、すごいなって思ってて…よかったら、アドバイスをもらえたらいいな…なんて…」
山川さんが、おどおどしながらそう言うと、
ピョコッと後ろから美羽都さんも顔を出した。
…かわいい。
美羽都「…私も、何をどう見せたらいいか迷っていて…敵に塩を送るみたいであれかもしれないんだけど…よかったら…」
…いやいや、美羽都さん。
私はあなたの敵でもなんでもないですよ。
足元にすら及びませんよ。
という言葉を我慢して、
彩香の様子を見てみると
彩香「私でよければ喜んで♪うちのクラスからミスがワン・ツーフィニッシュしたら、それこそ素晴らしいわ!」
そう言ってニッコリと笑った。
…うん。私は、
あなたのそのポジティブシンキングが何より素晴らしいと思うよ。
山川「ほんと?!ありがとう…!」
美羽都「ありがとう!!!」