メガネをはずしちゃいけません!
美奈「なんで先輩にメガネを外す権利を奪われなきゃダメなんですか?」


帝「うるせぇ。とにかく外すな。」


美奈「無理ですよ。お風呂るときとか寝るときとか、外さなきゃやってられません。」


帝「家でならかまわねぇよ。家の外での話だよ!」


美奈「だからなんで先輩にそんなこと決められなきゃなんないんですか?嫌ですよ。」


帝「お前のその地味でなんの魅力もねぇツラをみてこれ以上被害が広がらないようにするためだろぉが!」


美奈「なっ…」


なんだこいつ。どんだけ失礼なんだ?
いくら自分の顔が整ってるからって言っていいことと悪いことあるからね?


帝「わかったかよ!」


…ほんと私、この人無理だ。


美奈「…だったら私に構わなきゃいいじゃない。」


帝「あ?」


美奈「先輩。いいかげんにしてくれませんか?ずっと言ってますけど、迷惑です。」


山神帝は私の言葉をなんの表情も変えずに聞いている。

むしろ聞いてないのか?
そう思ったけど、構わず続ける。

美奈「あなたが関わってくるせいで私の人生がめちゃくちゃになる。顔も見たくないんです!もう近づかないでください。」


帝「…」


カチャ…


私は綺麗になったメガネをかけ、


美奈「私が、あなたに惚れるなんて奇跡でも起きない限り、ありえませんから。」



大事な部分を強調してしっかりと思いを伝えた。


美奈「…」



帝「…」



しばらく続いた沈黙。


それを破ったのは、


帝「…何が嫌なんだよ。俺の。」


山神帝の意外な一言だった。
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