星のしずく
あんなふうに言ってるけど、俊は変わった。前だったら『うそ!マジ?』なんて
答え帰ってこなかった。陸上一筋だったから。
 
「少しは女の子に興味持つようになった?」
 
『さーね?』
 
「ふーン。」
 
なんかむかつく。ってゆうか、サオリがうらやましい。
『サオリチャン』ってサオリのこと少し気になった?
・・・じゃあ、あたしのこともそーゆーふうに見てくれる?
陸上なんてやめて、あたしを選んでくれる?
・・・こんな事言えないよね。あきれた。
 
『あっ!そろそろ練習戻んなきゃ。』
 
「そう。じゃあね。」
 
『おう。』
 
「ばいばい。」
 
 ガチャ・・・。
 
やっぱりね。陸上には勝てないや。
なんで「がんば。」って一言がいえなかったんだろ・・・。言えばよかった。
あたしってやっぱバカだよね。
 
「ふ〜ん♪」
 
「何いたいしてのふ〜んなワケ?」
 
ちょっと気になる。うそ。すんごく気になる。
 
「俊也君のこと好きなんだ。」
 
一気に頬が赤くなるのが自分でもわかる。とっさに答えた言葉は・・・
 
「ばっ!そッそんな事あ、あ、あるわけないじゃん!!?」
 
うそ。あたし動揺してる?!!
なんで?あたし、俊の事好き??!
 
「あるわけあるの♪」
 
「なっなんでよ。」
 
「だって〜そんな誰でもわかるよ〜志穂ったら丸わかり〜♪」
 
何でそんな自信ありげにィ〜?
 
「サオリね、志穂のことなら全部わかるの。」
 
「なんで?」
 
「大好きだから。だって、ズウ〜ット一緒だったんだよ〜♪」
 
「ふ〜ん。そんなもん?」
 
「うん♪」
そーゆうもんかなぁ。なんかそー言えばあたしいつも自分のことばっかで
サオリのこと全然知らない。最低かな。あたし。
ん?ッちょっと待てよ?いまなんか・・・。こんな終わり方したらまるで
あたしが俊のこと好きって認めたみたいじゃん!!ダメ!ダメ!
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