初恋は実らぬものというけれど……ある辺境伯令嬢の場合
「あらためて、君に結婚を申し込みたい。コーデリア、これからの人生、僕と歩んでくれませんか?」
「ルーファス様」
「君と生きていきたい」
「私で……こんな私で、ルーファス様の妻が務まりますでしょうか?」
「それはこっちもだ。二度とあんな思いをさせないと誓うよ。今度こそ、君を守り抜く」
結婚式から一年以上も経ってしまった。
でも、ようやくふたりの気持ちを確かめあうことができたみたい。
「コーデリア、僕と結婚してください」
「はい」
ルーファス様が私の手を握ったまま、口元に持っていく。
優しくて柔らかいキスが指先に落とされる。
なんだか泣きたくなってきた。
これまで生きてきた中で一番幸せだって思えるのに、どうして涙がこぼれそうになるんだろう。
「幸せになろう、コーデリア」
私はもう返事ができなかった。
涙が頬を伝わってきて、言葉にならなかったのだ。
ルーファス様が指先でそっと涙をぬぐってくださる。
そして綺麗なお顔が近づいてきて、私たちは初めての口づけを交わした。
もう一度、プロポーズからやり直し。
新婚生活も二度目だけど、私はとっても幸せです。