夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
「時間ギリギリだから、早く!!」
「は、はい!」
凛ちゃんの急かすような強い口調にビックリして、わたしは言われるがまま駐車場へ向かった。
「あ、やっと来た! ちょっと急ぐから、シートベルトしっかりしてね」
車に乗り込むなり美雲さんがそう言って、わたしと凛ちゃんがベルトをつけたのを確認すると車を発進させた。
「あ、あの。どこに行くんですか?」
時間がないって一体どういうこと?
しかも衣装のままで来ちゃったけど、こんな派手な服で行っていいところなの?
「社会勉強って感じかな」
わけがわからず戸惑っているわたしに、美雲さんはますます意味のわからないことを口にした。
そういえば撮影の前に凛ちゃんが「一緒に行ってもらおう」って言ってたけど……。
結局どこに行くのかわからないまま、車は速度を上げて進んでいく。
「良かった、ギリギリ間に合いそう」
しばらくして、美雲さんがつぶやいて車を駐車場に停めた。