夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
「でもわたし、諦めないから」
「え?」
「いつか絶対モデルデビューするから」
まっすぐわたしを見つめて言った如月さんの言葉に、皇月先輩のことじゃなくてモデルのことかと内心ホッとしていたら。
「皇月先輩のこともね」
まるでわたしの心を読まれたかのような言葉に「えっ!?」と思わず大きな声が出てしまった。
「……と言いたいところだけど、あんな話聞かされたら悔しいけど諦めるしかないよね」
「あんな話?」
「皇月先輩の初恋の話」
「……あ……」
バレンタインの日に先輩が話してくれたこと、如月さんにも話していたんだ。
「でも、油断してたらモデルも先輩のことも遠慮しないからね!」