夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

それから、彼女……音夢ちゃんと一緒に仕事をする機会が増えた。

七星くんから、音夢ちゃんが学校でいじめられていて、プリンセス・プロジェクトというイベントで優勝できるようにするために読者モデルに選んだと聞いてますます頑張ってほしいって思う様になった。

そして、最初は自分に自信がなくて後ろ向きだった音夢ちゃんが一生懸命頑張っている姿を見て、わたしも勇気をもらった。

音夢ちゃんも七星くんのことを好きなんだろうなっていうのは、一緒に仕事をしているうちになんとなくわかった。

本来ならライバルなんだけど、音夢ちゃんがいい子だっていうことは仕事でわかっていたから、意地悪しようなんて気持ちは全くなくて。

むしろ、わたしもいじめられていたことがあるから、そんなことは絶対したくないって思った。

だから、「正々堂々と勝負しよう」って声をかけたんだ。

音夢ちゃんは、正直に七星くんのことが好きだと言ってくれた。

きっとすごく勇気を出して打ち明けてくれたんだと思う。
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