夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

「お互い頑張ろうね」

そう言って交わした握手。

この時から、わたしと音夢ちゃんはライバルになった。

それから数週間後、久しぶりに七星くんとふたりだけの撮影の日。

撮影が終わった後、わたしは思い切って七星くんに声をかけて、誰もいない控室で初めて会った時から好きだったと告白をした。

1年以上ずっと一緒に仕事をしてきた仲間だし、もしかしたら七星くんも……ってほんの少し期待してた。

だけど、答えは「気持ちは嬉しいけど、凛のことは仕事仲間としてしか見られない」だった。

「もしかして誰か好きな人がいる?」

思い切って訊いてみると、七星くんはかすかに頷いた。

やっぱり、好きな人がいるんだ。

だとしたらその人はきっと……。
< 126 / 156 >

この作品をシェア

pagetop