夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
「お互い頑張ろうね」
そう言って交わした握手。
この時から、わたしと音夢ちゃんはライバルになった。
それから数週間後、久しぶりに七星くんとふたりだけの撮影の日。
撮影が終わった後、わたしは思い切って七星くんに声をかけて、誰もいない控室で初めて会った時から好きだったと告白をした。
1年以上ずっと一緒に仕事をしてきた仲間だし、もしかしたら七星くんも……ってほんの少し期待してた。
だけど、答えは「気持ちは嬉しいけど、凛のことは仕事仲間としてしか見られない」だった。
「もしかして誰か好きな人がいる?」
思い切って訊いてみると、七星くんはかすかに頷いた。
やっぱり、好きな人がいるんだ。
だとしたらその人はきっと……。