夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

でも、ふたりきりでどこかに行ったとしても、人が多いところでは皇月先輩は絶対に気づかれて騒ぎになっちゃうだろうし。

「ないけど、ふたりで出かけたら色々騒ぎになりそうだから」

スキャンダルになったりしたら皇月先輩に迷惑をかけてしまう。

だから、今は撮影の時に会えるだけでも充分だ。

「まあ確かにそうだけど、今はオープンにしてる人達も多いよね。いっそのこと堂々と交際宣言しちゃえばいいのに」

「ええ!?」

凛ちゃんの言葉に思わず大きな声を出してしまって、慌てて周りのスタッフさんに謝る。

交際宣言なんて、そんなことしたら皇月先輩のファンが絶対怒るよ。

「もちろんみんな受け入れてくれるわけじゃないとは思うけど。わたしは音夢ちゃんなら七星くんとお似合いだと思うし、自信持っていいと思うけどな」

「……ありがとう」

凛ちゃんにそう言ってもらえるだけで、すごく嬉しいな。

いつかもっと自分に自信が持てるようになったら、凛ちゃんが言う通り、堂々と宣言できる日がきたらいいな。

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