夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

内心焦ってパニックになっているわたしとは対照的に、マイクを向けられた皇月先輩は特に動揺している様子もなく、隣に立っていたわたしの肩を軽く抱き寄せて答えた。

その瞬間、今までで一番大きな歓声があがって、テレビや雑誌の取材陣からたくさんのフラッシュを浴びた。


☆ ☆ ☆


「すごい、もうネットニュースに上がってる」

数時間後、無事に?お茶会を終えて打ち上げで行ったレストランにて。

凛ちゃんがスマホを見ながらつぶやいた。

「ほら」と見せてもらったサイトには、『人気モデルの皇月七星、新人モデルとの交際認める』というタイトルで、さっきのことがもうニュース記事になっていた。

「サプライズ大成功だね」

いたずらっ子みたいに笑った凛ちゃんを見て、もしかしてというあるひとつのことが心に浮かぶ。

「あの質問入れたのって、凛ちゃん?」

「あたり~!これで堂々と七星くんとつきあえるね」

「そうだな」

「皇月先輩!?」

突然聞こえてきた声に振り向くと、皇月先輩が立っていた。
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