夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
「それで、七星はきみをシンデレラ候補として生徒会長直々に指名したいんだって」
「――え?」
「可愛く変身して優勝して、さっきいじめてたやつらを見返してやればいい」
「……でも……」
急にそんなこと言われても、何をどうしたらいいのかわからないよ……。
「俺らが協力するから大丈夫だよ。あ、自己紹介まだだったよな。俺は雨沢 虹希。七星の親友で一応生徒会副会長やってます」
戸惑うわたしに気さくな笑顔でそう言ってくれた雨沢先輩。
雨沢先輩って、生徒会副会長だったんだ。
いつも皇月先輩ばかり目立っているから雨沢先輩の存在を初めて知った。
「1年A組 月島 美夢です。よろしくお願いします」
わたしも自己紹介をすると、
「みゆちゃん? どういう字書くの?」
雨沢先輩が訊いてきた。
「美しい夢で美夢です」
「へぇ~綺麗な名前だね~」
「そんなことないです。わたしなんかに似合わない名前だから……」