夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
そう言ってお辞儀をすると、会場中に大きくて温かな拍手が響いた。
「音夢ちゃん~!」
「ありがとう~!」
どこからかそんな声援も聞こえて、嬉しさと感動で胸がいっぱいになって思わず涙が溢れていた。
ずっと自分に自信がなくて「わたしなんか」って思ってた。
だけど、皇月先輩がくれた「わたしなんかって言うなよ」の一言が、わたしを変えてくれたんだ。
そう、まるでシンデレラをお姫様に変えてくれた魔法のように。
あの日、皇月先輩がわたしにくれた夢は今も消えずにこうして続いている。
そしてきっとこれからも続いていく。
だから、今自分に自信がなくて“わたしなんか”って思っている人に伝えたい。
どうか「わたしなんか」って自分で自分を卑下しないで欲しい。
あなたにはあなたらしく輝ける場所がきっどこかにあるから。
「わたしにもできる」って一歩踏み出せば、きっと世界は変わるよ――。
《Fin.》