夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
☆ ☆ ☆
「はい、目線こっちに向けて」
「もう少し顎引こうか」
「そのまま、まっすぐで」
スタジオにカメラマンさんの指示と、シャッター音が響く。
眩しいライトを浴びながら、ポーズを決めるんだけど。
「う~ん……やっぱり笑顔が堅いんだよなぁ」
「自然な笑顔で撮りたいんだけどねぇ」
撮った画像をモニターで見ながら、カメラマンさんがつぶやく。
当たり前だけど、ど素人のわたしはカメラを向けられただけで緊張してしまって、なかなかOKが出ない。
皇月先輩と凛ちゃんに迷惑をかけている。
それが本当に申し訳なくて、いたたまれない気持ちになる。
やっぱりわたしなんかここに来るべきじゃなかったんだ。
「今また “わたしなんか”って思っただろ?」
「え?」
なんでわかったんだろう……。