夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

「月島って気持ちがすぐ顔に出るタイプだな」

「う……」

はい、その通りです。

「言っとくけど、俺も凛も迷惑だなんて思ってないからな」

「そうそう。わたしだって初めての撮影の時はすごいガチガチで何回も撮り直したんだから」

皇月先輩の言葉に続いて、凛ちゃんが笑顔でそう言ってくれた。

「最初から完璧にできる人なんていないんだから、大丈夫だよ」

凛ちゃんの優しくて力強い言葉が、心の奥にじんわり響く。

「だから、もうちょっと頑張ろう?」

「はい」

そのあとは、ふたりのフォローのおかげでなんとかOKが出て。

「撮影終了です。お疲れ様でした~」

その言葉に一気に体中の力が抜けた。

「そういえば、読者名どうする?」

控室に戻ると、美雲さんに訊かれた。
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