夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
「読者名ですか?」
「そう。本名でもいいならそれでもいいんだけど、違う名前にした方がいいよね?」
「はい」
さすがに、本名が載るのはまずい。
「じゃあ、何か希望する名前ある?」
「えっと……」
どうしよう。いざ違う名前にするとなると、迷うな。
「美夢ちゃんっていう本名も素敵だけど……そうね、 “夢”の字を使って音夢ちゃんなんてどう?」
音夢って、響きも可愛いし、スウィガの雰囲気にピッタリの素敵な名前だ。
「すごくいいと思います! ぜひそれでお願いします」
「良かった。じゃあ、読者名は音夢ちゃんで載せるようにするわね」
美雲さんがそう言ったその時、控室のドアをノックする音が聞こえた。
「あ、ちょっと待ってね」
先に美雲さんが出てくれて、わたしの方に視線を向ける。