夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

でもティーパーティーに行くっていうことはドレスコードがあるわけで、普段着じゃダメなんだよね。

スウィガの服は大好きだけど、私には似合わないし、金額的にも高くて買ったことがないから、持ってないんだよね。

唯一、去年親戚の結婚式のために買ってもらったワンピースくらいしかないんだけど、それでもいいのかな。

でも私、メイクも自分で上手くできないし……。

この前は全てスウィガのスタッフさんがやってくれたから良かったけど。

そう考えると、やっぱりやめた方がいいような気がする。

せっかく招待してもらっているんだし、普通に応募したってなかなか当たらないイベントだから、本当はすごく行きたいけど。

どうしよう……。

招待状を見つめたまま、私は行くか行かないか決められずにため息をついた。


翌朝、日直当番になっている私は日誌を取りに職員室へ向かった。

「失礼しました」

日誌をもらって教室へ向かおうとした、その時。

「あれ、美夢ちゃん?」

突然後ろから名前を呼ばれた。

この声はもしかして……
< 30 / 156 >

この作品をシェア

pagetop