夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

「雨沢先輩?」

振り返ると、予想通り生徒会副会長の雨沢先輩がいた。

「この前の雑誌、見たよ。いい出来だったね」

「ありがとうございます」

「あ、そういえば招待状届いた?」

「……え?」

なんで雨沢先輩が知ってるんだろう?

疑問に思っていると、

「ちょっとだけ時間いい?」

雨沢先輩がそう言って、職員室のすぐ隣にある進路指導室へ入った。

まだ朝早い時間だから、中には誰もいない。

「お茶会の招待状、届いた?」

中に入るなりもう一度そう訊かれて、やっぱりあの招待状のことだと確信する。

「届きました」

「あれ、七星が美雲さんにお願いしたんだって」

「え?」

なんで皇月先輩が……?

「プリンセス・プロジェクトに参加するためのミッションだって」

「ミッション?」
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