夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

「そう。この前の読者コーナー、読者から評判良かったみたいだから、美夢ちゃんが参加するならまたドリームチームが協力してくれるってさ。どうする?」

どうするって言われても……どうしたらいいんだろう。

この前の撮影はとても緊張したけど、可愛い服を着てメイクをして違う自分になれた気がして嬉しかった。

だけど如月さんも参加するかもしれないイベントだし、もしもわたしだってバレたら……。

「あ、ちなみに美夢ちゃんいじめてた子は落選したらしいよ」

「え、なんで知ってるんですか!?」

「企業秘密」

そう言って雨沢先輩は人差し指を唇にあてて微笑んだ。

「だから、安心して参加できるよ」

「……」

どうして雨沢先輩も皇月先輩も、こんなわたしのためにここまでしてくれるんだろう……。

と、その時廊下から話声と足音が聞こえてきた。

壁にかかっている時計を見ると、朝練も終わってそろそろみんなが登校してくる時間になっていた。
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