夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

「大丈夫だから、堂々としてな」

皇月先輩にそう小声で言われて、ハッとする。

わたしが緊張していることに気づいてくれたんだ。

先輩のさりげない言葉が嬉しくて、わたしは一度深呼吸をすると、まっすぐ顔を上げた。

目の前には、雑誌や絵本から飛び出してきたような可愛い服を着た女の子達。

天井にはきらめくシャンデリア。

テーブルに並べられた美味しそうなお菓子。

憧れていた大好きなキラキラ輝く世界が目の前に広がっていて、まるで童話のお茶会に迷い込んだような気持ち。

せっかくこんな素敵な場所にいるんだから、楽しまなくちゃ。

今の私はガリ勉地味子の美夢じゃなくて、音夢なんだから、大丈夫。

そう思ったら不思議と緊張が和らいで、心がふっと軽くなった。

「まずは3人の衣装をご紹介しましょう。凛ちゃんはPinky Candyの新作ワンピースを着てくれてます」
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