夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

司会の人の言葉に、改めて凛ちゃんの衣装を見る。

黒いギンガムチェックに、ケーキと蝶々型のクッキーの柄が描かれている清楚で爽やかなイメージのワンピース。

甘すぎないちょっとクールな雰囲気で、凛ちゃんによく似合っている。

「七星くんは、今年の春から立ちあがった男の子向けブランドking sing(キングシング)の王子様スタイルで決めてくれてますね」

皇月先輩は、まさにおとぎの国から抜け出した王子様のような衣装。

黒いシルクハットとクラウンのネックレスがアクセントになっていて、さらに王子様感を醸し出している。

「そして最後は大好評読者コーナーモデルの音夢ちゃんです! 今日の衣装のポイントはなんですか?」

「え? えっと…」

突然訊かれてビックリして一瞬言葉に詰まる。

どうしよう。こんなこと訊かれるなんて予想してなかった。

焦りながら思わず皇月先輩の方へ視線を向けると、

「今日はアリスのお茶会をテーマにしたみたいですよ」

そう言ってフォローしてくれた。
< 41 / 156 >

この作品をシェア

pagetop