夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

ラストミッション……つまりプリンセス・プロジェクトに参加する前の最後のミッションということ?

そうか。それならなおさら頑張らなくちゃ!

「ありがとうございます」

「それじゃ、また来月にね」

通話を終えると、改めて嬉しさがこみ上げてきた。

先輩がくれたラストミッション、絶対成功させなくちゃ!


☆ ☆ ☆


夏休みが明けて新学期が始まった。

わたしは相変わらずクラスに馴染めないまま、放課後に日直の仕事や掃除当番を押し付けられる毎日。

如月さんは休みの間に家族で行ったフランス旅行の話を自慢気に話していて、取り巻きの子達がわざとらしいくらいに如月さんを誉めていた。

皇月先輩は時々見かける程度で、学校では一切話をしていない。

だけど、撮影の日になれば、先輩に会えるし、話もできる。

また音夢になれる。

そう思うと、今まで憂鬱だった学校も頑張ろうって思えた。
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