夢より素敵な時間を、初恋のきみと。
見つけたお姫様
【七星Side】
「おはようございます」
「今日もよろしくお願いします」
冬休みに入って訪れた今年最後のスウィガ撮影日。
スタジオに入って、関係者に挨拶をしながら歩いていると。
「七星くんおはよう」
元気な声が聞こえたのと同時に後ろから肩を叩かれた。
振り返って確認すると、声をかけてきたのはモデル仲間の夜咲 凛だった。
今日は凛とふたりで特集コーナーの撮影を行うことになっている。
「やっぱり凛か。相変わらず元気だな」
「相変わらずは余計だと思います~。それより、ダンスパーティーどうだった?」
気になって仕方ないという感じで興奮気味に訊かれて、その勢いに苦笑しながら「大成功だよ」と答えた。
「ホント!? 良かったぁ~」
「凛も美夢のこと色々フォローしてくれてありがとな」
「ううん。だって美夢ちゃん一生懸命でいい子だもん。で、ちゃんと七星くんの気持は伝えたの?」
「え? ……あぁ」
「ちゃんと」と言われると、微妙かもしれない。