夢より素敵な時間を、初恋のきみと。

「お久しぶりです」

ちょっと緊張しながら挨拶すると、

「表情堅いよ! リラックス、リラックス!」

凛ちゃんがそう言って軽く肩を叩いてくれた。

相変わらず凛ちゃんは優しいな。


1月半ばの3連休初日。

今日は久しぶりの撮影日で、実はかなり緊張していたんだけど……。

きっとそんなわたしの気持ちを、凛ちゃんはわかってくれているんだ。

「せっかくプロジェクト優勝したんだから、自信もって堂々と、ね?」

「……え……」

どうして凛ちゃんがそのことを知ってるんだろうと一瞬疑問に思ったけど、そういえば美雲さんは夢ヶ丘学園の卒業生だし、皇月先輩もいるし、きっとふたりから聞いてるんだ。

「七星くん入りまーす」

再び美雲さんの声が聞こえて来て、今度は皇月先輩がスタジオに入って来た。

先輩に会うのはあのクリスマス・パーティーの時以来だ。

「お久しぶりです」

「ああ、久しぶり」

わたしが声をかけると、皇月先輩は笑顔で返してくれた。
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