だって、そう決めたのは私
「そうだね。ちょっと暁子にも相談してみるよ」
「うん、そうして。暁子さんが、どんな感じに持っていきたいのかっていうのも、結構重要だからね。こう、甘い感じを出していて欲しいのか。それとも、ただ仲良く観光してればいいのか」
「なるほどね。そうか、そうだね。うん、相談してみる」
匡の恋の話を聞いたけれど、宏海に特別な変化は見られない。いちいち落ち込んでいたら、好きな相手の近くにはいられないということか。何だか、私にも突きつけられるものがあった。宏海は随分大人だ。こんな年になって思うことでもないが、私にはそういう経験値が足らない。今少し手が触れ合っただけで、まだドキドキが煩いくらいだ。それに反して宏海は……多分何も感じていない。それがまた辛かった。何も望みはしない。けれどほんの少しだけ、私と同じように感じてくれていたらいいのにと思った。
「うん、そうして。暁子さんが、どんな感じに持っていきたいのかっていうのも、結構重要だからね。こう、甘い感じを出していて欲しいのか。それとも、ただ仲良く観光してればいいのか」
「なるほどね。そうか、そうだね。うん、相談してみる」
匡の恋の話を聞いたけれど、宏海に特別な変化は見られない。いちいち落ち込んでいたら、好きな相手の近くにはいられないということか。何だか、私にも突きつけられるものがあった。宏海は随分大人だ。こんな年になって思うことでもないが、私にはそういう経験値が足らない。今少し手が触れ合っただけで、まだドキドキが煩いくらいだ。それに反して宏海は……多分何も感じていない。それがまた辛かった。何も望みはしない。けれどほんの少しだけ、私と同じように感じてくれていたらいいのにと思った。