だって、そう決めたのは私
幾つも置かれているカナちゃんの写真の一番後ろ。あれは、男の子? 沢山ある幼い彼女は、全て長い髪をお下げを垂らしている。ぶすっとした顔で赤いランドセルを背負っていたり、中学校の入学式も同じよう。でも今ちらりと見えたのは、遠足のようなリュックを背負い、それを自慢するように無邪気に笑っていた。まだ幼稚園生くらいだろうか。隣に写っていたのは義母。そのおおよその年齢と写真の具合からして、十年以上、いや二十年ほど経っているのではなかろうか。何も気付いていないふりをして、その場をやり過ごした。二人に見送られ、義実家を後にする。気付かれてはいないようだ。
池内くんたちが来てしまう。足は急くのに、仕事のことに頭がいかない。今見た写真を思い出し、ぐるぐると色んなことを考えていた。生け垣を横目に階段を登り、通りへ出る。人通りも多くはない坂道。いつもならこの辺で気持ちが切り替わるのに、今日はそうもいかない。あの写真が引っかかって仕方ないのだ。
あの子は一体――誰だ?
池内くんたちが来てしまう。足は急くのに、仕事のことに頭がいかない。今見た写真を思い出し、ぐるぐると色んなことを考えていた。生け垣を横目に階段を登り、通りへ出る。人通りも多くはない坂道。いつもならこの辺で気持ちが切り替わるのに、今日はそうもいかない。あの写真が引っかかって仕方ないのだ。
あの子は一体――誰だ?