だって、そう決めたのは私
「僕、あまり小田原って詳しく知らないんだけれど、名物って何だろう。佐々木くん知ってる?」
「名物ですか……何だろうな。あぁ、かまぼことかじゃないですかね。海産物のイメージがありますね」
漁港の方だったら、土産に魚とか頼めるだろうか。電車で帰って来るのに嫌がるかな。妻の帰路と魚介を天秤に掛けた。
「海産物かぁ。今日ね、妻がそっちの方に出掛けてて。小田原に用事があるとかで。だから、帰りにお魚とか買ってきて貰おうかなって」
「小田原に……今日、ですか」
「そう。毎年この日に行ってるんだって。誰かお友達と行ってるのかなぁ。あまり聞いてないけどね。何かイベントとかあるのかなぁ」
表情を消した彼が、少し沈黙する。そして、小さく零した。海とか見てるんじゃないですかね、と。
「名物ですか……何だろうな。あぁ、かまぼことかじゃないですかね。海産物のイメージがありますね」
漁港の方だったら、土産に魚とか頼めるだろうか。電車で帰って来るのに嫌がるかな。妻の帰路と魚介を天秤に掛けた。
「海産物かぁ。今日ね、妻がそっちの方に出掛けてて。小田原に用事があるとかで。だから、帰りにお魚とか買ってきて貰おうかなって」
「小田原に……今日、ですか」
「そう。毎年この日に行ってるんだって。誰かお友達と行ってるのかなぁ。あまり聞いてないけどね。何かイベントとかあるのかなぁ」
表情を消した彼が、少し沈黙する。そして、小さく零した。海とか見てるんじゃないですかね、と。