だって、そう決めたのは私
「……会えたの。会えたのよ、カナタに」
「え? え……ええっ」
「ふふふ。驚くよね。私も驚いた。詳しくは後できちんと話すけれど、大きくなってた」
暁子にはすぐに全てを話すつもりだったけれど、片手間では嫌だった。きちんとゆっくり時間の取れる時に、順を追って話したい。そうでないと、カナタが今宏海の担当をしていることとか、理解しきれないだろう。暁子は驚いたのだろう。大きく目を見開いて、私を見つめる。
「本当に? カナコ……良かった」
「うん……だからね、今日は目が腫れてるのよ」
「あぁそれで。眼鏡かけてきたのか」
「うん。だって、ほら。なかなか引かないものね」
眼鏡を外し、その目を見せると、暁子は小さく微笑んだ。それでも良かったね、と。落ち着いた二人は、オペの片付けをしながらコソコソと話を続ける。
「宏海くんには話したの?」
「ううん。まだ親にも言ってない。私も飲み込めてないところがあって。それを整理してからじゃないと、ただ混乱させてしまうだけだから。まずは親子をやり直してからじゃないと」
「そうねぇ。それに宏海くんって、子供がいるの知らないんじゃないっけ?」
「うん。知らない。だから、本当に順を追って話をしないとダメでしょう?」
「そうだね。まぁ籍は入れてないけれど、それでも夫なんだし。きちんと話して、いずれはカナタくんと会ってもらわないとね。あ、私にも会わせてよね」
「そうね、勿論。あの子を会わせたい人は沢山いるわ」
あの時、怒らせ、泣かせてしまった両親。傷心のカナコに仕事という役目を与えてくれた暁子。とんでもない願いを受け入れてくれた宏海。それから、何も変わらずに友人でいてくれる匡。思い浮かぶ顔は沢山あった。
「え? え……ええっ」
「ふふふ。驚くよね。私も驚いた。詳しくは後できちんと話すけれど、大きくなってた」
暁子にはすぐに全てを話すつもりだったけれど、片手間では嫌だった。きちんとゆっくり時間の取れる時に、順を追って話したい。そうでないと、カナタが今宏海の担当をしていることとか、理解しきれないだろう。暁子は驚いたのだろう。大きく目を見開いて、私を見つめる。
「本当に? カナコ……良かった」
「うん……だからね、今日は目が腫れてるのよ」
「あぁそれで。眼鏡かけてきたのか」
「うん。だって、ほら。なかなか引かないものね」
眼鏡を外し、その目を見せると、暁子は小さく微笑んだ。それでも良かったね、と。落ち着いた二人は、オペの片付けをしながらコソコソと話を続ける。
「宏海くんには話したの?」
「ううん。まだ親にも言ってない。私も飲み込めてないところがあって。それを整理してからじゃないと、ただ混乱させてしまうだけだから。まずは親子をやり直してからじゃないと」
「そうねぇ。それに宏海くんって、子供がいるの知らないんじゃないっけ?」
「うん。知らない。だから、本当に順を追って話をしないとダメでしょう?」
「そうだね。まぁ籍は入れてないけれど、それでも夫なんだし。きちんと話して、いずれはカナタくんと会ってもらわないとね。あ、私にも会わせてよね」
「そうね、勿論。あの子を会わせたい人は沢山いるわ」
あの時、怒らせ、泣かせてしまった両親。傷心のカナコに仕事という役目を与えてくれた暁子。とんでもない願いを受け入れてくれた宏海。それから、何も変わらずに友人でいてくれる匡。思い浮かぶ顔は沢山あった。