だって、そう決めたのは私
第13話 面白くない
「そうだ。百合から連絡があって、今度カメオカの人たちとの親睦会に呼ばれたの」
いつもの食卓。暁子の言葉が、今日も耳に残っている。そういう好きがあってもいい、か。そんなことを言われたって、急にこの時間が変わるわけでもない。
「あぁ、池内くんも言ってた」
「あ、そうなんだ。だから、行ってくるね。詳細聞いたら、また伝えるけど」
「うん。池内くんがね、奥さんに会ったら挨拶しようって言ってたから、ムキムキな子が行くと思うよ。多分」
そう言って、宏海はケラケラっと笑った。
彼は、サラリと私を妻として扱う。いや、妻なのか。名目上は事実婚であるが故、間違ってはいないのだが……完全に私だけが道に迷っている。自分で言い出した形だけの、愛のない生活。それでも事実婚と唱えば、周囲は当然に彼を夫と見做すし、私も妻と見做される。それは会社だけでなく、両親も然りだ。彼は一人でも私の実家へ行くことがあるし、私も彼の母と結構連絡を取ったりする。そういうのも当たり前になってしまった今、分かりきっていた矛盾が自分の中で疼いている。
いつもの食卓。暁子の言葉が、今日も耳に残っている。そういう好きがあってもいい、か。そんなことを言われたって、急にこの時間が変わるわけでもない。
「あぁ、池内くんも言ってた」
「あ、そうなんだ。だから、行ってくるね。詳細聞いたら、また伝えるけど」
「うん。池内くんがね、奥さんに会ったら挨拶しようって言ってたから、ムキムキな子が行くと思うよ。多分」
そう言って、宏海はケラケラっと笑った。
彼は、サラリと私を妻として扱う。いや、妻なのか。名目上は事実婚であるが故、間違ってはいないのだが……完全に私だけが道に迷っている。自分で言い出した形だけの、愛のない生活。それでも事実婚と唱えば、周囲は当然に彼を夫と見做すし、私も妻と見做される。それは会社だけでなく、両親も然りだ。彼は一人でも私の実家へ行くことがあるし、私も彼の母と結構連絡を取ったりする。そういうのも当たり前になってしまった今、分かりきっていた矛盾が自分の中で疼いている。