だって、そう決めたのは私

第21話 彼の恋を応援できるのか

 ずっとぼんやりと見えていた自分の気持は、きっとただ認めたくなかっただけだった。グラグラ揺れていた感情を『好き』という場所に埋め込んで、それがカチッとハマれば、不思議とそれだけで心は晴れやかになった。それでも、これ以上を望むことはしない。私は幸せになってはいけないし、そもそも宏海にも好きな相手がいるのだ。今の生活のバランスを変えてしまうような言葉を発することはしたくないし、彼もそういうことは言わないと思う。

 そんなことを考えながら帰宅した私は、今、想像していなかった自体に直面している。

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