手袋、片方ずつ
【01.】そろそろ、〝変〟だよっ、



「.........っ、う、あの.........っ、」



ある冬の日の、金曜日の登校中。



私、花江雪歩(はなえゆきほ)の顔は真っ赤。



それなのに..............................



「ん。雪歩、どした?」



私の声に気づいて、
覗き込むように見てくる1人の男の子。



「〜〜っ、なんでも............ないっ、」



私はその男の子から、
視線を逸らすだけで精一杯で。



言葉とか、
行動1つ1つに凄くドキドキするのっ。



生まれた時からの幼なじみだから、
登下校は、いつも当たり前に一緒で。



よく、私の家にも遊びに来てくれて。



私が知ってるなかで、
1番カッコいい男の子。



名前は、飛岡詩月(ひおかしづき)くん。


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