手袋、片方ずつ


〝誰〟って言葉に出来なくって。



困っていたそのとき。



------------------------------コツコツ



と、誰かが階段から上がってくる音がして。



(え、えぃ!どうにでもなれ!!)



そう思いながら........................



「あ.........っ、あの人!!」



階段の方を勢いよく指差した。



すると、詩月くんは........................



「は?湯田?」



今まで聞いたことのない、うんと低い声。



怒ってるのかな?って思ったけど。



それは、ほんの一瞬のことで。


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