手袋、片方ずつ


そう、思っていると。



「雪歩、」

「ん?詩月くん?」



突然、私を離す詩月くん。



不思議に思って、詩月くんを見上げると。



詩月くんの熱い瞳と視線がぶつかって。



「俺ら、もう〝恋人〟だよな?」

「〜〜っ、詩月くんが嫌じゃない、なら、」



確認するような詩月くんの言葉に。



私も、詩月くんの気持ちを優先するように言葉を発した。



たぶん、お互い探り探りだと思う。



「雪歩.........っ、キスしてい?」

「〜〜っ、詩月くんの、ばか、」



今まで、〝幼なじみ〟だったからこそ。



その〝壁〟を壊すのには勇気が必要で。



でも、お互いもっと近づきたくて。


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