手袋、片方ずつ
「〜〜っ、覚えてないっ、
詩月くんがカッコ良すぎるのが悪いもん、」
「............俺のせい、かよ、」
「〜〜っ、今まで以上にカッコいいから、」
「っ、俺は雪歩が、今までより可愛く見える」
幼なじみの時よりも、
言葉1つ1つ、行動1つ1つにドキドキして。
詩月くんの隣を歩くのは、
ずっと、私だけがいい!って思っちゃう。
「うへへっ、詩月くん大好き!」
だから、
〝手袋、片方ずつ〟出来るのは。
(きっと、私だけの特権だよね.........?)
そう心の中で思ったと同時。
「............んっ、」
視界が詩月くんでいっぱいになって。
直後、ふわりと、
くちびるに触れた優しい温もり。