手袋、片方ずつ
「〜〜っ、ちょ!詩月くん!ここ外!」
「ごめん。
雪歩が可愛すぎて我慢出来なかった」
くちびるが離れたあと、
私の言葉に対して、爆弾を落とす詩月くん。
「〜〜っ、詩月くん芸能人のくせに、」
「ん。大丈夫。社長に許可取ってるし」
「そ、そういう問題?」
なんか違う気もするけど...............
(まぁ、いっか?)
心の中でそう思ったと同時。
「やっぱ、片方ずつっていいな」
学校への道を歩きながら、そう呟く詩月くん。
〝どうして?〟と尋ねる前に。
もう一度、私のくちびるに温もりを落とすと。
「いつでも、雪歩にキス出来る」
「〜〜っ、ばか、」
詩月くんが私の反応を見て、
ニヤリと笑ったのは、言うまでもない。
fin.