湯田くんのマフラー
「はぁ、ほんと..................、」
2人の一緒にいる姿をみて、ついため息が出るのが分かる。
だって私は、
みじめで、みっともなくて。
背中を押したのは、自業自得なのに。
いまも、
幸せそうな2人から視線を逸らせなくて。
でも、もう何も出来ない始末。
せめて、気持ちだけでも伝えるために、
〝告白〟ぐらいすれば良かったのに。
それすらしないまま、1人で失恋して。
付き合った2人を見ることしか出来ない私。
(もう、何もかも遅い...............っ、)
心の中でそう呟いた瞬間。
──────キィィィッ‼︎
と、車がブレーキをかる音が聞こえた。