湯田くんのマフラー


「............っ、」



分かってるっ。



さっき、モヤモヤして。



つい、目を逸らしてしまった光景。



紛れもなく、〝湯田くん〟が、
女の子と仲良さげに話しているのだ。



「............っ、飛岡くんには、かんけい、」



私が、〝関係ない〟と言う前に。



「なんかさ、川原さんと湯田のこと。
俺には、細かいことは分かんねーけど。
男の勘だけど、湯田が、川原さんのこと、
蔑ろにするようなやつじゃないのは分かる」



私の目を真っ直ぐ見て言う飛岡くん。



そして.....................



「だから、聞きたいことあるなら、
言いたいことあるなら、ちゃんと言えよ」



小学校の時からの長い付き合いだけど。



今まで見た、
飛岡くんの中の1番の笑顔で。



──────背中を押してくれた。



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