湯田くんのマフラー
そして........................
(なっ、なにごと!?)
そう、心の中で思ったと同時。
──────グイッ!と。
私の腕が引かれて、
体が後ろに傾く感覚がした。
「..................はぁ、あんた、何考えてんの、」
その直後、
背中には硬い胸板があって。
それと同時に聞こえてきたのは、
〝誰か〟の深めのため息。
「..................っ、何って、別になにも、」
〝誰か〟が分からないから、
後ろを振り返りながら答えたそのとき。
「「.........あ、」」
私と、その〝誰か〟の声が見事に被った。