湯田くんのマフラー
声のした方に目を向けると。
私と視線がぶつかったのは..................
クラスメイトの、
湯田真冬くん。
湯田くんは、
クラスの中でも人1倍マイペースで。
ぶっちゃけ、
何を考えてるか分からなくって。
だけど、毎年、
誰よりも早くマフラーを巻く男の子。
あと、実は密かに、
1部の女の子たちからは人気があるのだ。
そして、いま、
私と湯田くんの目の前には〝あるもの〟が......
「.....................っ、これ、」
「僕のマフラー、」
(でっ、ですよねー!)
ボロボロと、
糸がほどけているマフラー。
明らかに私が原因だと悟った私は。
「ゆっ、湯田くん、ごっ、ごめんなさい‼︎」
ただひたすら、
湯田くんに平謝りすることしか出来なかった......