湯田くんのマフラー
【02.】湯田くんのマフラー
──────放課後。
私の隣を歩くのは、
ボロボロのマフラーを持った湯田くん。
「...............、本当に、ごめんなさい、」
朝も謝ったのに、
申し訳ない気持ちが再燃してしまって。
再び、湯田くんに謝る私。
だけど..............................
「............朝も言ったけど、もういいよ。
てか、大体検討ついてるし、気にしないで」
朝と同じく、
責めもせず、怒りもしない湯田くん。
〝気にしないで〟
そう言われると、
むしろ気になるというか。
なんだか、
余計に申し訳ない気分になってしまう私。