極上溺愛契約婚で甘やかされて～エステで出会ったセラピストは御曹司でした～
　取り巻きの数人が彼女の機嫌を損ねたのか、実際に暴言を浴びたのも良い起爆剤になった事で悪評は瞬く間に学校中に広まっていき彼の耳にも届いたのだった。
　そして程なくして彼は彼女と別れた。別れを切り出された彼女は不満をこぼしていたが事実を広められたのもあり迂闊には動く事は出来なかったようだ。

（良い気味！）

　そして最後の一押しをすべく私は更に彼へと近づいた。具体的には勉強会に何度も参加したりデートの誘いをしたり。それらが功を奏した結果私は彼と付き合う事になった。
　彼はとても気遣いが出来る人で、私の欲しいものはなんでも買ってくれた。それに私の容姿も褒めてくれてまさに至れりつくせりの状態だった。
　だが、そんな彼とは半年しか続かなかった。理由は彼が日本ではなくアメリカの高校に進学する為かつ両親が遠距離恋愛を認めなかったからだ。私は納得がいかず両親にも直訴して彼の両親に考え直すように迫って貰ったが、ダメだった。

「なんでよ。直接会えなくても電話とかあるじゃん。この石頭どもが」

　この事は今でも私は納得できない。結果彼とは卒業式以降1度も会っていない。きっと今頃アメリカで友達や恋人達に囲まれながら優雅にやっているんだろう。
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