極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「はあっ……ああ……」

 玲に指圧される度に何とも言えない変な声が出るのはそれだけ疲れが溜まっているのかもしれない。
 彼の指圧はふくらはぎから太ももと足の付根、そして腰へと移動していく。

「どうですか? 痛くないですか?」
「はい。気持ち良いです」

 その後も肩と顔のマッサージを受けた私。すると顔のフェイスラインを引っ張り上げるようなマッサージが終わった辺りで玲の動きが止まる。

「玲さん?」
「……雪乃さん、その……」

 玲がしたいのはおそらく性感マッサージだろう。だが、もしかしたら……

「玲さんはもしかして本番したい、とか……?」
「……そうです。でも私はセラピストで雪乃さんとは契約関係にあります。だから……」

 本当ならしちゃおっか。と彼に言ってあげたい気持ちはある。だが、やってしまったら何かが変わりそうというか壊れそうで言えなかった。

「じゃあ、性感マッサージお願い出来ますか?」
「はい」

 にこりと笑った玲の笑顔が無性に脳内に焼き付く。
 そして玲の手が私の太ももに触れると、そのまま両足を開いた。

「慣らして行きますね……?」

 玲の声が妙に色っぽく聞こえた。まるで快楽を抑えきれないような、はやる何かを抑えようとしているような、そんな表情に見えた。

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