極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
「この件については証拠を掴めば、美幸だけでなく古田家全てを一網打尽にする事が出来る。だからもうちょい調査を進めたい」
「そうか、またとないチャンスって訳か。じゃあもっと調査を進めるべきだな」
「玲ありがと。今んとこそっちは順調か? 美幸とは会ったりしていない?」

 あれから彼女とは会った事も無いし姿を見た事は一度も無い。玲と共に無い事を伝えると元気は息を吐いて少し安堵したかのような表情を見せた。

「それならいいんだが……」
「元気、何かあったのか?」
「ああ……あのままあいつが黙っているとも思えなくてさ」
「そうか……まあ、確かにそうかもしれないが」

 その時。玲のスマホが鳴った。玲は私達3人に失礼。と言ってスマホを取り出し電話に出る。電話をかけてきたのはどうも彼の母親のようだ。

「もしもし母さん?」
「玲? あんたいつの間に結婚してたの? なんか古田グループの娘さんから菓子折りとジュースの詰め合わせが届いたんだけど。それに明後日会いたいって手紙もついてる」
「へ」

 噂をしてたらなんとやらのタイミングで美幸が動いてきたようだ。

「あ、いや……その。ごめん今忙しいから切るよ」
「わかった。また後で折り返し電話頼むわね」
「はいはい」

 玲の額からは冷や汗が1つ2つ滴り落ち始める。私も玲と呼応するかのように背中の産毛が逆立ち始めていた。
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