極上溺愛契約婚で甘やかされて～エステで出会ったセラピストは御曹司でした～

「ゆっくり食べて大丈夫ですよ」
「あっ……はい」

　玲の作る料理はとても美味しい。彼から料理を教わってみようかと考えてみるくらいだ。

「玲さん、今度料理教えてくださいませんか？」
「はい。雪乃さんがお望みなら勿論。ジャンルは何にしますか？　和食洋食中華薬膳色々ありますが」
「あーー……じゃあ、基本的なやつで」
（基本的なやつって何になるんだ？）

　自分で言っておきながら基本的な料理とは？　と疑問符が頭の中で浮かんだのだった。
　こうして玲と穏やかで楽しい日を過ごし、気がつけば古田家主催のパーティーの前日を迎えていた。
　この日の私は定時まで仕事を終えると、いつも通りにロッカールームで着替えてオフィスを後にした。

（ベリーズ行こうかなあ）

　するとスマホが鳴った。玲からの着信だ。私はすぐに電話に出る。

「言い忘れていました。今日は私はベリーズにはいませんのでよろしくお願いします」
「そうなんですね。了解しました」
「あと、あなたとの結婚を両親に話したんです。結果から言うと快く結婚を了承してくれました。今は2人とも海外にいるので帰ってきてからの挨拶になりますが、それでもよろしいですか？」
「あっ……はい！」

　私がそう玲に返事をした時だった。