極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 最初にマッサージするのはふくらはぎから下のようだ。足首の後ろ側に足裏もぐいぐいと力強くマッサージされる。

「足つぼマッサージって知ってます?」

 ふと玲からそう問いかけられた私は名前だけなら聞いた事があると答えた。

「そうですか。ちなみにここは痛いです?」

 玲にぎゅっと押さえられるのと同時に鈍い痛みが走る。

「いったたたた!!!!」
「失礼しました。ここはちなみに胃ですね。親指の内側からちょっと下に進んだこの辺り」
「そ、そうですか……」

 言われてみれば最近、時々胃もたれする事があるようなないような……
 玲は他にも足つぼを押してくれた。痛みが走る事もあれば特段何もない個所もあった。

「もしかして冷えてます?」
「あーー……」

 玲から指摘された通り、私はどちらかと言うと冷え性かもしれない。冬は苦手だし夏の冷房も苦手だ。

「なるべく温かいものを取るようにしてはいかがですか? 冷やすのはあまりよろしくないです」
「ですよね。でも……どういうのがおすすめなんですか?」
「薬膳おすすめですよ。身体を温める作用のある食材結構あります。例えばしょうがとかは有名ですよね」
「な、なるほど……」

 彼の手はふくらはぎから今度は太ももに移っていく。

「痛かったら言ってくださいね」
「はい」

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