極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~

玲Side

 門倉玲の父親は代々会社を経営したり土地を所有している会社経営者兼地主である。また、競争馬もたくさん所有しており、重賞を何度も制覇している。中でもクラナドムーンという名の馬は皐月賞、日本ダービー、菊花賞の3つのレースを勝利してクラシック三冠を達成した上に他にもG1をいくつか勝つなどした結果、賞金は10数億を超える程に稼いだ。
 いつも穏やかで余裕を忘れない。玲の性格は父親譲りと言える。

「この子は玲という名前にしよう」

 玲の名前をつけたのも、父親である。
 そして玲の母親は父親が経営している会社の事務員だった過去がある。そこで事務長まで出世した彼女はいわゆる出来る女性だった。
 いつもしゃきしゃきとしていて、元気で明るくてパワフルなのが玲の母親を語るうえでは欠かせない部分だろう。

「玲、ちゃんと勉強するのよ」
「分かってるって。もう宿題は終わったから」
「えっもう? 早いわね……」
「これくらい簡単だよ、簡単」

 玲は幼稚園から御曹司や令嬢が集う学校に通っていた。そこでの玲は成績も運動神経もトップクラスに位置していた。

「門倉くんはすごいですね。頭が冴え渡っています。将来が楽しみです」

 幼稚園の先生は保護者面談の場ではいつも玲をそう評していた。
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